鵯は色もシックだし、立ち姿もすっきり。飛んでもシャープでなかなかかっちょいい鳥だと思うんだけれど、連中、心が狭い。
餌場にはペアであらわれ、他の鳥を追い払いたがる。小鳥たちはしかたなく散ってゆく。もっとも、鳩には無視されるんだけれども。
こんなのが私の中の長年の鵯感なわけです。
基本的に1ペアのみで行動するもんだと思ってきたんだけれど、ここんところ様子がちがう。うむ。
窓の外に目をやると十羽ぐらいが一本の木にとまっている。えっ? それだけでもびっくりだが、そいつらが東の方にさーっと去るとまた次の一群が川の方からやってくる。そんな感じで短時間に三十羽ほどの鵯を眼にすることの多い昨今。
最初にその光景を見た時には大鷹か何かから逃げているのかなと思ったけれど、そういうことでもなさそうだ。謎だ。
うちの前だけでなく、近所を歩いていても似たような光景を目にした。
1ペア・オンリーで生きてきたヒヨドリ界に優秀な指導者でもあらわれて、団体行動すりゃ鷹も鴉も人間も眼中にねえぜ、シン・ヒヨドリ、鵯の惑星、ってなもんだ……みたいなことになっていたりして……なんて思ってみたり。
とにもかくにも謎なんです。