でんでらるんない

ご存知のように私は滅多に東京から出ない、というか、杉並から出ない、というか、最近では家からさえなかなか出ないような人間です。なんだけれども、子どもの頃には林間学校やら家族旅行やらで何度かは東京から出たことがあります。そんな中で、本州から出たことだってある。生涯で一度だけ。どうだ。すごいだろ。

小四。大阪まで親父の車で行って、一泊してからフェリーで九州へ。
大阪では自動改札というものを見て、東京より進んでるじゃねえかとびっくらこいた。飛び込みで入った店の押し寿司がうまかったのも強く印象に残る。
九州では佐賀の唐津というところにある知人の親戚のお宅に厄介になった。そこを拠点にして、あちこち出向いたんだけれども、よく覚えているのは水前寺公園でいやに大きなタマムシを数匹みかけたことと阿蘇山でテングチョウに遭遇したこと。唐津の海で小さい貝を取ったら、中からさらに小さい蛸が出てきてびっくりしたこともしっかりと記憶にある。
で、そんなことよりももっとずっと鮮明に体内に残っているのが、ある歌です。唐津の家のカア坊って子に教わったもの。鞭声粛々〜なんて詩吟を披露してくれた一つ上の男子。男児っていうべきなのかな。

でんでらるんないでてくるばってん
でんでらるんないでーてーこんけん
こんけられんけんこられられんけん
こーんこーん

という、トイレから出られねえ、とか、出てこねえ、とか、そんなニュアンスの歌なんだろうか。
今でも唄える。というか、iPhoneに向かって唄ったものを書き出したよ。

「でんでらるんない」の歌

九州の中でも微妙にヴァリエイションがあるということを(おそらくは熊本出身の)誰かに教わった気もするが詳細は忘れてしまった。

で、報告しなければならんのはですね、うちの近所の小学生が男女込みで7-8人でこれに似た歌を大声で唄いながら歩いていたってことです。びっくり。ほんの数日前。これはなにごと? 九州が杉並を征服しにやってきて、まずは子どもから洗脳しているんだろうか。
まさか、音楽の教科書に載ってるとか? そんなことあるのかな。