現実にゆさぶられる

紛争が始まった初期のこと、友だちが筒井康隆の『霊長類、南へ』に触れて、もはや笑えない、というようなことを呟いていた。ふむふむと思い、再読してみたよ。

なるほど、おもろいけれどもはや笑えない。安全な場所にいると錯覚していないとってことなんだな。この現実、おそろしいね。

筒井作品では「ヨッパ谷への降下」が一番好きなんだけれど、面白かったと言えば一番はうちの親父宛ての手紙。どの小説よりも面白かったな。細かい内容は忘れたけれども「平身低頭、平に平にご容赦のほどを」ってな感じで結ばれていて、いつか激烈あやまらなければならい場面ではこれを使おうと思っている。

親父がすでに入院していたタイミングだったので、私が代わって返事を書いたんだけれども、どんなことを書いたんだったか、いまになって心配になってきた。