おまえ陰性? おれもおれも、Yeah!……みたいな

4月の検査入院の話。
スクリーニングでPCR検査を受けないと入院できませんよ、という条件付きでした。引きこもっているので、当然、陰性。
また、入院中は面会は全面的にNG、のみならず、フロアから出るのも禁止。なので、必要なものは全て事前に用意しておいてください、とのこと。院内のコンビニで歯ブラシ買ってこようとか、そういうのもだめなわけ。
なるほど、しっかりしている病院ってのはこういう感じなんだね、と思う。納得。

退院する前の晩、フロア内の自動販売機まで水を買いに行く途中、立ち止まって窓から外を眺めていた。どこからともなく、すっと見知らぬおばあさんが寄ってきて「ねえ、ねえ、あのビルの裏にうちがあるのよ。貧乏でいやんなっちゃうわよ」などと曰う。かなりの大金持ちの雰囲気をぎゅんぎゅんに出しているおばあさまでしたけれども。
しばらくぶりに知らない人と近接して話したな。まあ、マスクをして、ではありますが。
その際に強く感じたのは、このフロアにいる人全員、看護師さんやスタッフ一同、そして、われわれ患者も、みんなPCRでそこそこ直近で陰性なんだよなってこと。これはね、かなりの安心感がありましたよ。
去年からずっと世界の他の国々と同様に熱心にPCRをやってくれていればな、と思わざるを得なかった。
そんでもって、島国の利点を活かして、出入りの検疫をしっかりしてくれていれば、去年の夏前にはほとんど普通の生活に戻れていたんじゃないかな、なんてなことさえ思った。

この国にはいまだにPCR抑制論を述べ立てる人さえいるようだけれども、ロジックもふわふわ、情報も古い。
そういう人こそ、周囲全員がPCR陰性って状況を体験してみるといいよ。そこにある安心感。
世間ではワクチンに期待が高まっている。実のところ、私はそこまで当てにしていない。それよりPCRをがんがん広げてくれよ、と思う。
おまえ陰性? おれもおれも、Yeah!……みたいな世界がいいよ。ねえ。