ちょっと気になってカポーティの「ミリアム」を読んでみた。河野一郎訳なのだがまるで頭に入らない。昔はそんな風に思ったことはなかったと思うのだが。
で、今度は辞書をひきひき原文で読んでみた。うむ。スマートでかっちょいい。もちろん、言葉だって歳をとるのは自明だけれども。
翻訳に違和感を覚えた最初は子どものときに読んだ『白鯨』だ。父に訳が変てこで読みにくいんだと訴えたところ、英語ができないのに訳がおかしいって気づくもんなのかいと彼は言った。で、手に取って数頁ぱらり。うん、この日本語変だな。そんな会話。
オンレジ色だったから講談社文庫だったのかな。大部の上下巻を読むのに本当に苦労したのにちっとも楽しめなかったよ。のちに、別の訳で読んだらおもろかった。あたりまえだが、翻訳は重要な仕事だ。『白鯨』をつまらない思い出のまま終わらせなくてよかった。