三国同盟ってものがあったよね、ということは、歴史や地理に相当に昏い私でも知っていることであるけれども、そう言えば、と思い出したことがある。
何年か前、第二次世界大戦で日本とアメリカが敵国同士だったということを知らない大学生がそれなりの人数いるという嘆きが漏れ聞こえたことがあった。ちょびっと話題になったね。どこの大学の先生だったかな。著名な人だったような気がするが。
そのことを思い出したのであります。
日本とアメリカが戦争していたということすら知らないのであれば三国同盟なんぞ知らんだろう。ましてや敵国条項など知る由もない。
ここで学生たちの無知を責めてもどうにもならない。大事なことを伝えられていないすっかすかの教育システムを責めなくてはいけないのが本筋。
学生さんたちの中には戦争のことはよう知らんのです、という人がいるだろうというのは、まあ、何十歩か譲って諦めるけれども、とはいえ、国会議員や高級官僚がそんなことを知らないはずはないのだが……。
この「……」って記号は便利なような危険なような、多様な解釈を許す仕組みだね。
日本は不思議な国なんですよ。偉い人は責任を取らない、痛感すると口にしたりはするけれども、だからといって、何かきちんとした対応を取るわけではない。その一方で、下々のものは自己責任論を押しつけられて、それって政治の失敗じゃんってな余計なことまで責任を負わされる。
この、日本の偉い人は責任を取らないシステムは敗戦後にきちんと問う/問われることを有耶無耶にしてきた結果なんだろうな。それが、この十年ほどの出鱈目政権で加速して、ああ、悲しいかな、没落一直線のジャパン、なのでしょうか。……。