Voices In The Air 1

新しいものをリリースするといろいろレスポンスがあって嬉しいものだけれど、今回はいつもと毛色がちがうものがあったので、ちょこっと書いておこう。

9月11日だからしばらくぶりに『September Rising』も聴いてみたんだけれどいいアルバムだから改めて世に送り出すべきだよ、というものだった。
それは911の出来事に際して Digital Performer(という音楽制作ソフトウェア)のユーザ・グループの中から音楽で貢献できることはないだろうかと意見交換が進むところから始まったチャリティ・アルバムなのです。売り上げは全部チャリティに回る。音楽家は音楽の力で協力すべきだよなというイメージだったな。

2曲提出したら両方選ばれてしまい、各人1曲だから自分でどちらかを選びたまえということになった。少しだけ悩んだけれど、Voices in the Airという方を使うことにした。
失われた命の声がそこここの宙空に漂って響いてくるという、最初にニュースを目にしたときに浮かんだ幻視的な映像に触発されたものだ。頭文字を並べるとVITAとなる。ラテン語で生命を意味することば。

20年前でありながら基本的には世に言うテレワークで進められた作品。実を言えば、メンバーの誰にも直接会ったことは未だにない。ネットを介してのコミュニケイションのみ。日本にいたのは私だけだったということもあるけれども、時代を考えるとなかなか先進的な出来事だったと言えるかもしれない。

完成したアルバムはアメリカを中心に世界各国で売られたわけだけれど、日本では友だちに助けられ、知り合いのレーベルやMacEXPOで扱ってもらったりして、幾許かの義捐金として役に立てることができた。

今やデジタルで配信できる時代だし、友人のすすめ通り、再度世に送り出すのはいいよなと思い、アルバムを一緒に作った仲間の一人 Hiro Honshuku(日本人だけどアメリカ在住の音楽家)さんにコンタクトしたところ、あらびっくり、もうSoundcloudで聴けるようになっているよ、とのこと。
気が向いたら聴いてみてください。