汝、我が民に非ズ。ふむふむ。

汝、我が民に非ズ(町蔵/町田康の新しいバンドね)に行ってきましたよ。

これがですね、よかった。非常によかった。今年観たライヴの中で一番。いや、ほんとに。

声もよく出ているし、ちょいはにかむ笑顔がキュート(?)だし、べしゃりも空振る感じまで含めて素晴らしく、いやあ、楽しかった。
当然の如く呑み過ぎてしまい、降りなくてもいい高円寺というところで降りてしまい、寄らなくてもいいRocketなる店に寄ってしまい、報告しなくてもいいロケット師匠に報告してしまうぐらいによかった。さらに酔った。

バンド自体もしっかりと頼りになるいい演奏。きちんとしていて、というか、むしろきちんとしすぎではないかしら、あなたたち、と思わなくもなかったぐらいであります。
ドラムのお嬢さんとサックス/フルートのおじさん、特にいい感じだったなあ。

唯一気に入らなかったのが、紙を持って唄うってところだな。あれは嫌だ。
喋るときにメモを眺めるのはいい。けどさ、唄うときにもメモをひらひらさせながらってのはいただけない。ちゃんと覚えてこいよ、覚え切れなきゃアドリブで乗りきれよ、というようなことを思わずにはいられなかった。

アンコールではご親切にも「インロウタキン」なんぞまで演じる大サービス。
それはそれで私もちょびっと嬉しかったんだけれど、冷静に考えると、そこを引き摺る必要性はなかったと思う。このバンドはこのバンドで素晴らしく成立しているのであり、もはやINUの影は必要がなく、というか、そもそもあなたはもはや町蔵ではなく町田康なわけで、その新しいバンド、汝、我が民に非ズなわけで。

なんじゃかんじゃ今でもあれこれが頭の中をぐるぐるしているわけだけれども、兎にも角にも楽しかったよ。また観に行くこと必至。いいバンドだ。