こんな日がくるとはなあ、と。

この「Ministry」という雑誌、本来なら私には縁がなさそうな代物であります。それが何ゆえ手元にあるのかというと、編集をしているのが友人、そして、また別の友人の文章が掲載されてもいる。そんなわけでね。
中学で一緒にボールを蹴りバンドをやっていた仲間が宗教家になって専門誌の編集にも携わる。繊細な相貌で高校の教室の窓辺に立っていた友だちがきちんとした言葉を持った学者になった。そんなこと自体、数十年の時代の流れが感じられて面白いんだけれど、その彼らがこんな形で、いま接点を持つということがますます面白い。いや、面白がってはいられないんだけれども。

ベルリンの壁が壊れた時、生きているうちにこんな日がくるとはなあ、と思ったものです。当時、父が入院していた広尾の日赤に日参していて、その記憶ともリンクしているせいか、殊更に印象が強いことのひとつ。こんな日が来るなんて、と寝たきりの父親に語りかけたから。

思いもよらぬことはこれからだって起きるんだろうな。
それがいいことであればいいけれど、例えば、日本がもう一度戦争に巻き込まれる日がくるとはなあ、なんてことを歎ずる日が来てしまうかもしれない。そんなことが漠然と頭の中をよぎり、気が滅入る。気晴らしに今から呑むか。いや、そういうことではないんだ。

今の日本は異常事態の渦中にあります。大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、私にはそう感じられるわけですよ。とにもかくにも、各人がきちんと周りを見て考えて行動しないといかんよなあ、と思うわけ。いや、ほんとに。