寒風の宵

一日に一枚ぐらい腰を据えてアルバムを聴きたい。映画をみたい。本を読みたい。そんなことを思う。そんなことを思うのは、必ずしも、それが実現できていないからであります……ありましょう?

現代社会というのは、あるいは、大人というのは、時間が足りないものなのだよ、というようなことを言うつもりは全くない。時間なんて、ねえ、そういう代物ではないでしょう。

本日、Massacreの『Lonely Heart』を爆音で聴いていた。ファーストには適うべくもないけれど、暫く振りに触れたら、痺れる、なかなかいいじゃん、なんてところ。ところが、もう幾許かで終わりそうであるなあという汐に、ばか猫が脱走するという騒ぎがおきた。寒風吹き荒ぶ中、地べたに這い蹲って、りりちゃん、りりちゃ〜ん、などと、文字通り、猫撫で声を出す仕儀と相成る。結局のところ、無事に捕獲できて胸を撫で下ろしたわけではあるけれど。

寒風の中、地べたに這い蹲る45分。その前では、Mssacreの轟音も些か空しい春の宵。

厠の片隅で、か細い温風を淡々と吐き出すストーヴを眺めながら、そんなことを思う。300W。