「好きなヴォーカル4人を」って話

「好きなヴォーカル4人を」って話、セカンド地元の先輩からご指名いただきまして、さて、どうしたものか、と思いつつ。
我があさがやんずレコードの看板娘2人、Misacoとミヤザキナオコを真っ先にあげたいところだけれども、それはまた別の機会に、というか、CDや配信でぜひ聴いてみてください、とお願いするに留めておきます。こんなところで宣伝かいな? イエス。よろしくお願い申し上げます。
ここ <http://asagayans.net> をみてみてね。

さて、本題。
ものすごく悩んだのだけれども、結局のところ、小中高の各時代に聴きまくった人たちに落ち着きました。落ち着かせました、というべきか。各人の項目の最後には好きなアルバムの好きな曲を記すという親切設計。
この4枚は今でもたまに聴いています。

・ポール・ロジャース(Free / Bad Company)
もともと音楽は好きだったけれども、どんどんロックに吸い寄せられていった中学生時代。雑食の私、現代音楽から歌謡曲まで、あれこれと聴き漁っていたものだけれど、いわゆるバドカンの、ストレートなサウンドが気持ちよくてね。ある時期、やたらとリピートしていた。結局のところ、この声が好きなんだろうな。
— グッド・ラヴィン / Good Lovin’ Gone Bad
『ストレート・シューター / Straight Shooter』

・ジョン・ロットン(Sex Pistols / PIL)
先に書いたように、もともとロックに限らず、はばひろくエンジョイしていたのだけれど、この人と出会ったおかげで音楽に対するスタンスが大きく変わったな。いろいろな音楽を聴いてきたことが全てこの方向に集約していくというような気がして、ずんずんパンク/ニューウェイヴの世界にのめり込んでいく羽目に。うん。
— さらばベルリンの陽 / Holidays in the Sun
『勝手にしやがれ!! / Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols』

・ケイト・ブッシュ
彼女の声、耳にした途端にいともたやすくノックアウトされた。声という楽器を見事に使いこなして、類のない独特の世界観を作り上げて。歌詞も印象的で、好き嫌いは別にしてこれは俺には書けないなあ、という感想を持ったことを思い出した。生意気な高校生だ。
『天使と悪魔』という邦題、好きではないが、今になってみればこういうタイトルをつけるしかなかった気持ちも少しわかるような気がしなくもない。
— 嵐が丘 / Wuthering Heights
『天使と悪魔 / the Kick Inside』

・とみたいちろう
私の父は学者だったんだけれども、学者人生の途中で意外なところにもひっかかっていて、そのひとつがELECレコード。立ち上げの頃から関わっていたので、ELECの作品はよく聴いたし、ライヴにもちょこちょこ連れていってもらっていた。泉谷・古井戸・たくろうなんぞをよく聴いていたのだけれど、それ以上によく聴いたのがとみたいちろうのファースト。声がいい。曲がいい。どういうわけだか、親父が歌詞を手伝っていたりもする。
もっと評価されるべきアルバムだったよなあ、と今でも思う。
この人は今も活動しているのかな。検索してみるか。
— 道
『Take 1』

こんな具合で如何がでしょうか。

汝、我が民に非ズ。ふむふむ。

汝、我が民に非ズ(町蔵/町田康の新しいバンドね)に行ってきましたよ。

これがですね、よかった。非常によかった。今年観たライヴの中で一番。いや、ほんとに。

声もよく出ているし、ちょいはにかむ笑顔がキュート(?)だし、べしゃりも空振る感じまで含めて素晴らしく、いやあ、楽しかった。
当然の如く呑み過ぎてしまい、降りなくてもいい高円寺というところで降りてしまい、寄らなくてもいいRocketなる店に寄ってしまい、報告しなくてもいいロケット師匠に報告してしまうぐらいによかった。さらに酔った。

バンド自体もしっかりと頼りになるいい演奏。きちんとしていて、というか、むしろきちんとしすぎではないかしら、あなたたち、と思わなくもなかったぐらいであります。
ドラムのお嬢さんとサックス/フルートのおじさん、特にいい感じだったなあ。

唯一気に入らなかったのが、紙を持って唄うってところだな。あれは嫌だ。
喋るときにメモを眺めるのはいい。けどさ、唄うときにもメモをひらひらさせながらってのはいただけない。ちゃんと覚えてこいよ、覚え切れなきゃアドリブで乗りきれよ、というようなことを思わずにはいられなかった。

アンコールではご親切にも「インロウタキン」なんぞまで演じる大サービス。
それはそれで私もちょびっと嬉しかったんだけれど、冷静に考えると、そこを引き摺る必要性はなかったと思う。このバンドはこのバンドで素晴らしく成立しているのであり、もはやINUの影は必要がなく、というか、そもそもあなたはもはや町蔵ではなく町田康なわけで、その新しいバンド、汝、我が民に非ズなわけで。

なんじゃかんじゃ今でもあれこれが頭の中をぐるぐるしているわけだけれども、兎にも角にも楽しかったよ。また観に行くこと必至。いいバンドだ。

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「焼け焦げた海の種馬」

昨日の「焼け焦げた海の種馬(石原岳+坂田明+ファンテイル+関根真理)」のライヴ、今年みたあれこれの中で一番おもろかったですよ。いや、本当に。

フリーのセッションというのは、今となっては、非常に古いフォーマットになってしまっているわけで、それ自体が何か特別なものではなくなっています。というか、もはや、あ、フリーなのね、ぐらいな感じさえある。

私が目撃した限りの多くの場合、いいところもあればつまんないところもある。ま、その間を往ったり来たりというようなところが通常の着地点なんじゃないかな。

そりゃ、そうなわけですよ。いきなり複数の人間が楽器を使って音と心を交わすわけ。あちらこちらで齟齬が生じたり、縺れたりするのが当然だとも言える。そして、そんなところまで含んだところがライヴの面白さであります。実際問題、私はライヴの現場での事故は嫌いではないし、安全な地点で上手に演奏することに魅力は感じない。根がパンク育ちだからですかね。

加えて、私自身の嗜好との兼ね合いもあるしね。

ところがですよ、この「焼け焦げた海の種馬」、初めから終わりまで、ほぼほぼ恙なく良かった。観客である私たちも含めて。なんなら、カウンターでマイヤーズ・ソーダを作り続けてくれた女の娘まで含めて。

とにもかくにも、大仰な物謂いをすれば、小屋の中で音と人とその魂が感応して何かが起こっていた。それもすごくかっちょいい方向に。

最後の最後に坂田明が全部持っていってしまった感もなくはないけれども、そんなことまで含めて、そこにいた全ての人々が共有した時間と空間に感謝したい。そんな気さえするライヴでしたよ。

フリーで演る意味ってあるよな、と心の底から思える夜だった。

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直撃の記憶

録りだめてあった『エイト・デイズ・ア・ウィーク』を観たものでビートルズを聴きまくっている。ちなみに、先週は『最高の魂を持つ男』のおかげでJBを聴きまくっていた。

ビートルズはリアルタイムで聴いていた感覚はない。そうは言っても、中高生の頃にあほのようにリピートしていたんで染み付いておりますなあ。そして、今でもすごい。

私の中の初期の強烈な直撃の記憶ってのは『Red』『Blow By Blow』『the Basement Tapes』。で、『Never Mind the Bollocks』で世界が変わった。

あ、もっと前にELECの頃の泉谷にもやられていたわけだけれど、あれはレコードよりもライヴの衝撃だな。

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ライヴ・タイトルには龍虎って書いてあったよ

昨日の三上寛+イツロウ+加藤一平 at Yellow Vision。うしろの方でみていたんだけれど、最初はかなりバランスあしく、悪い意味でケイオティックでしたよ。ぶっちゃけ酷かった。
終演後に話していたら、板の上では良かったんでしょうね、寛さん、バランス良くて演りやすかったよ、とおっしゃっておりました。が、前の方に座っていたウクライナ人カップルが始まってすぐに私の横に退避してきたぐらいの耳疲れのするぐしゃっとした感じではありました。
音像の定まらないPA的な混沌はともかくとして、演奏は楽しかった。ただ、イツロウくん、一平くん、きちんとしすぎだな。
例によって、暴言吐きますけれども、若いんだからもっと突撃しろよ、と。寛さんが、おまえらうるさいなって眉を顰めるような瞬間があっても良かった、というか。そうしたら、寛さんもさらに一段上がって、猛烈なパンチで殴り返してきただろうし。そういうのが観たかったなあ。
……なんてなことを、客席にいると気楽に思えていいですなあ。いやはや。

前にイツロウくんにトライしてもらいたいと提案したことがひとつあるんですよ。演奏中に寛さんの唄をライヴでサンプリングしてぎゅんぎゅんに攻める、みたいなことね。絶対に面白いと思う。そのうちに実現するといいな。失敗したら失敗したでいいしさ。

何はともあれ、ぐびぐびおいしい酒が呑めた夜でした。良かった。

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